高級イタリアン店の人気シェフ・銀林葉子は、オーナーの売上金横領によって店が閉店し、突然職を失う。二人の子どもを抱えた葉子が新たに働くことになったのは、地元の男子刑務所だった。戸惑いながらも、管理栄養士として受刑者たちの食事作りに関わっていく。しかし、調理に慣れていない受刑者たちは失敗ばかり。赴任初日にはコロッケを爆発させ、別の日にはサバの梅煮に片栗粉を入れすぎて煮汁を固めてしまう。葉子は梅煮に手を加え作り直すが、サバの切り身の大きさに差が生じたことを刑務官・杉山から「不平等だ」と指摘され、身をほぐして均等に分けることになる。料理の見た目より平等を優先する刑務所の厳しいルールに、葉子は次第に疲弊していく。そんな中、過失致死罪で服役中の受刑者・川口が、被害者遺族との面会で強く責められ、深く傷つく。絶望した川口は、サバアレルギーを持つがサバの梅煮を食べ、アナフィラキシーショックで倒れてしまう。命を粗末にするような行動に、「人を笑顔にするために料理を作っている」と考えてきた葉子は怒りをぶつける。一度は退職を考えた葉子だったが、受刑者たちはただの悪人ではなく、弱さや孤独を抱えた人たちでもあると気づき始める。やがて葉子は、刑務所長の名取から「人生に絶望した受刑者たちが、生きる力を取り戻せるよう支えてほしい」と託される。食事を拒む川口に野菜スープを差し入れた葉子は、食を通じて受刑者たちの更生を支えていく決意を固める。